マインクラフトで英語!

聞いてしゃべれて読めて書ける、最もシンプルな方法と本質論。

B.Q.R. J-111 '80 東大(出典不明)

  前回の記事の続きなんだけど、Krashenの動画で最も興味深かったのがこの先の話で、Krashenによれば、例えば "LANGUAGE AQUISITION" がスピーキングの流暢さを与え、 "LANGUAGE LEARNING" の方が文法的な正確さを与えてくれるのなら、普通ならこの2つをバランスよく実行していけばいいと思うかもしれないし、自分もそう思っていたのだけれど、実はこれは誤りである、と。

  曰く、10年以上に渡るリサーチの結果からして、どこからどう見ても言語の「習得」において重要な役割を果たしているのは "LANGUAGE ACQUISITION" の方だった、と。というのも、実際には、文法的な正確さを与えてくれるのも "LANGUAGE ACQUISITION" の方だったからだ、と。

  前回と同様に、この点も僕の個人的な感覚と非常によくマッチする。

  僕のマインクラフトの実況って、おそらく "LANGUAGE ACQUISITION" によるスピーキングと、"LANGUAGE LEARNING" によるスピーキングが混ざったような感じになってる気がするんだけど、しゃべってる時に文法的な間違いをする場合って、大抵は、頭で文法的なことを意識しながらしゃべっている場合、つまり "LANGUAGE LEARNING" による場合(もっと言えば、"LANGUAGE ACQUISITION" ではしゃべれない場合)だと感じる。

  一方で、自然と頭に残っていた音をただ口にしてしゃべるような場合、つまり、おそらくは "LANGUAGE ACQUISITION" による場合って、そのインプットに誤りがない限り、そもそも間違えようがないのだ。

  ちょっと話を戻すと、B.Q.R. J-108で引用した東大の英文って、こうしてKrashenのインプット仮説と並べてみれば何を言わんとしていたのかがよく分かる。

  つまり、受験英語的英語学習のような "LANGUAGE LEARNING" においては「自覚的、計画的な反復」が様々な形で予め意図されている。だから、英単語や英熟語を何度も反復して「暗記」しなければならいし、似通った構造の英文を反復できるよう学習単元を体系化する必要があった。

  一方で、 "LANGUAGE ACQUISITION" において反復は、「無自覚的」であることが望ましい。だから、この場合語彙の獲得は、気づいたら「一気にやってくる」っていうことになるし、「自覚的な反復」をむしろ回避するために、体系化された学習素材よりはむしろランダムなコンテンツの方が求められる。

  そして、この引用した英文って何を言わんとしてたのかっていうと、例えば英語を「習得」する場合に重要になってくるのは、何はともあれ「習得」っていう一点であって、 その際には、"LANGUAGE ACQUISITION" のような「反復によらないインプット」がキーになるんだってことが言いたかったんだと思う。逆に言うと、単語を暗記し、文法を意識的に学び、それらを自覚的計画的に反復して身につけていくような学習プロセスって、本質的な「習得」においては実はあまり意味がないんだよと ......。

  こうやって見てみると、この東大の空所補充問題の出典って、Krashenの論考の一部だったんじゃないかっていう気すらしてくるんだけど、ともあれ個人的にはこの話って、かなり妥当性があるように思えるのだ。 

  にしても、受験英語を必死になって勉強してきた東大受験生に対して、その門戸でこの内容の英文を突き付ける出題者ってなかなか洒落ている。ただおそらく受験生の中には、これを解きながら、あるいはKrashenのインプット仮説を想起して、「でも受かればこっちのもんだ」って言って鼻で笑って正解を記入していったエリートもいたに違いない。

正解:difference

 

東大の英語25ヵ年 (難関校過去問シリーズ)

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