マインクラフトで英語!

聞いてしゃべれて読めて書ける、最もシンプルな方法と本質論。

B.Q.R. J-102 『7カ国語をモノにした人の勉強法』

ところが、日本人の学習者のほとんどは音声を重視していません。言葉を音声から覚えようとしないのです。音声の感覚をつかむことが、その外国語の語感をつかむために、まず重要なことであるにもかかわらずです。そして、さらに重要なのは、外国語の文字列とその日本語訳を暗記することではなく、じかに音声と概念とを結びつけることです。言葉の意味とは、ある音声が表す概念の音であって、日本語訳ではありません。(『7ヵ国語をモノにした人の勉強法』橋本陽介 著ーp.32)

 

  僕がこれまで読んできた英語のハウツー本って、英単語の対訳暗記はもとより、抽出文法構造を媒介にした日本語への置き換えに批判的なものが圧倒的に多い。

  ところが、そこからもう一歩踏み込んで、じゃあ一体どうやって訳語によらず意味の授受を行うのかっていう段になると、そこまでちゃんと足を踏み入れて、その本質を端的に言い当ててるものって(意外にも)実はほとんどない。

  あえて言えば、すでに過去記事B.Q.R. J-20 『英語は逆から学べ!』 - マインクラフトで英語!B.Q.R. J-12 『英語は絶対勉強するな!②』 - マインクラフトで英語!)でも触れた2冊は、「意味」全般についての扱いにブレがないし、かなりいい線行ってたんだけど、それでもこの7カ国語をモノにした人の勉強法 (祥伝社新書331)に比べちゃうとやや言い回しがくどかったり、あるいは逆にバッティング指導をする長嶋茂雄よろしく説明がぶっ飛び過ぎてたりして、ちょっともったいないなっていう感じだった。

  語学学習ってことで言えば、「意味」の扱いに関する「本質」って、ある点においては極めて明快で、それは引用にもあるように "音声と概念とを結びつけること"、僕なりに言い換えれば「音声の概念化」もしくは「概念の音声化」、これなのだ。

  こういった「音声」の重要性を、単に「音が重要」って言うんじゃなく「文字」との対比で語っていて(「文字」と絡めずただ「音」が重要って言ってるだけの書籍は山ほどある)、しかもその意味表象の「意味」の部分を「日本語訳ではなく意味概念で」っていうふうに端的に語ってるものって僕がこれまで読んだ中ではこの著書が初めてだった(「音」の重要性と絡めず単に「日本語に訳すな」って言ってるだけのものも山ほどある)。

  それにしても、「言葉を音声から覚える」とか「文字列と日本語訳の暗記じゃなく、音声と概念とを結びつける」とか、こういうことって別に大したことじゃないっていうか、なんか直感的にはごくごく「当たり前のこと」「自然なこと」のように思う。

  にもかかわらず、このごく「当たり前のこと」が、つい何年か前までは学習環境的に意外と難しかった。

  おそらくだからこそ、ある意味仕方なく「音」じゃなくて「文字」を先行させ、「音の概念化」じゃなく「日本語訳の暗記」に走り、抽出した文法構造による置換的訳読っていう「不自然な」語学学習が続いてきたんだろうと思うんだけど、今や語学学習をめぐる環境は急速に変わりつつある。

  例えば一昨年からGoogleは、画像検索でのクラウド保存の提供を開始している。実はこのところ、リーディング学習の方法にいまいち活路を見いだせず悶々としてたんだけど、この保存機能のおかげで一気に道が開けてきた感があって、ようやく自分の中で描いていた理想に近いリーディング学習にたどり着くことができた。

  個人的には「ああ、こんな便利なものが既に1年以上も前から使えるようになっていたなんて!」と、なんとなくその出遅れた感にちょっとため息つく感じではあったんだけど、でも一方で、見方を変えれば、こういう機能もつい1年程前に出たばかりなのだ。

  このクラウド保存を、Google Chromeの音声検索と、拡張機能の「Read Aloud」と併用したリーディング学習の方法序説的動画を前々回の記事に載せてみたんだけど、語学学習の方法でいまいち行き詰っているっていう向きには、何かヒントとなるものがあるんじゃないかと思っている。

 

7カ国語をモノにした人の勉強法 (祥伝社新書331)

7カ国語をモノにした人の勉強法 (祥伝社新書331)