マインクラフトで英語!

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B.Q.R. J-79 『たかが英語!』

日本人はこれまでさんざん英語を勉強してきた。学校での授業時間と予習・復習の時間を考慮すれば、一日平均1時間、英語の勉強に費やしたと考えてもあながち間違いではないだろう。すると1年間で約350時間。したがって中学、高校、大学の10年間で3500時間ということになる。 (『たかが英語!』三木谷浩 著 ーp.42)

 

  こうやってブログの記事を書くようになってから、ネットの情報って本当に当てにならないなあってつくづく感じるようになってるんだけど、とりわけそういう情報を基にして、それを基軸として話を展開するようなときは、ちょっとした数字の取り違いが幾何級数的に誤りを膨張させて、記事全体(ひどいとそのブログ全体)にまで波及しちゃうなんてことにもなりかねないから最近特に警戒するようにしている。

   例えばこの「英語の勉強時間」なんだけど、中学・高校の総授業時間ってだいたいどれくらいなんだろうと思って、まず文科省のホームページで中学の学習指導要領を確認してみたら、今現在中学の外国語に割り振られている「授業時数」は年間140、3年間で420ってことになってて、その数字が載ってる表の備考欄を見ると "授業時数の一単位時間は、50分とする" ってなってるから、まあ要するに50分×420=21000分=350時間となって、これが公立中学での3年間の標準的な総授業時間ってことになるな、ってことはすぐにわかった。

  この中学での外国語=英語の総授業時間の情報には(備考欄の助けもあって)わりと簡単にたどり着くことができた一方で、高校の総授業時間を同じく学習指導要領で調べようとしたら、中学の外国語みたいにすぐ見てぱっとわかる感じにはなってなかった。それで、手っ取り早いと思って外部の情報を探ってみたら、「NEWS ポストセブン」っていう(なんだか週刊ポストと女性セブンを合わせたような妙な名前の)サイトに中学授業時間 3年で公立は3045時間、私立一貫校は3800時間│NEWSポストセブンっていう記事があって、ここに 「英語の総授業時間数は ... 公立高校 ... 420時間」ってあったのを見て、「へえ」と思ってそれをそのまま利用しようと一瞬思ったんだけど、「まてよ、なんか引っかかる。なんだろう、420......。どっかでみた数字だなあ」って思ったら、さっき見た中学3年間の「授業時数」(「授業時間」じゃなくて「授業時数」)とおんなじだ。

  「へえ、こんな偶然もあるのか」と思って「ふむふむ、この記事によると? 私立一貫校と公立で最も差が出るのが中学時代。公立高校の420時間に対して(??)私立一貫校の桐蔭学園ではなんと1.5倍の620時間 ...... だから中高一貫校が人気(???)なんだこれ? わけわからん」なんて読んでて途中で気が付いた。たぶんこれ、公立「高校」じゃなくて、公立「中学」の間違いだ(だって「最も差が出る中学時代」の例に「高校」持ってきたって意味不明だからね)。ってことはこれ、420「時間」じゃなくて420「単位時間」のことだ...... 。

  「なんなんだ? この記事は」って思いながら、試しに「中学+420時間」でちょっと検索してみたら、出てくるわ出てくるわ、この手の紛らわしい表記が次々と。中には学校のホームページ(中高一貫校!)にもこの手の表記がなされてて、「公立の420時間に対してうちは630時間!」なんて書いちゃってるから、こりゃちょっと確信犯的なところもあるんじゃないか? なんていうふうに思ったんだけど、にしても、一体なんだってこんな紛らわしいことになってるんだろう。「時間」じゃなくてもっとわかりやすく「コマ」って書いて、「420コマ」とかってすれば紛らわしくないのに、なんかちょっと怪しいな。

  まあともあれ(話を戻して)、とにかく知りたいのは、高校での英語の総授業時間なんであって、コマ数じゃあない。やっぱりちゃんと学習指導要領見るしかなさそうだと思って、それでまた文科省のページに戻って確認することにした。

  まず「総則」の第3章第2節に外国語の標準単位数が載ってるんで、それを合計すると21単位になる。で、"35単位時間の授業を1単位として計算することを標準とする" ってあるから、35単位時間×21で735単位時間。"単位については1単位時間を50分とし...... " ってなってるから、50分×735=36750分=612.5時間。612.5時間! 735時間でなく、まして420時間でもない。612.5時間! これが公立高校での外国語=英語の標準的な総授業時間ってことになる(やれやれ、ポストセブンだかイレブンだか信用して、公立高校の総授業時間420時間なんてやってたら、話がだいぶ変わるどころか恥かいてたな)。

  さて、この計算を軸にして、いったい今現在中高生はどれくらい英語の勉強に時間を費やしてるのか、大体の所を割り出してみると、公立校の場合中学で350時間、高校で612.5時間、6年間で計962.5時間(一応私立一貫校はだいたい1.5倍だと考えると1443.75時間)。仮に一授業に対する予習復習をその授業と同じ時間だけかけたと考えると、単純にそれを2倍して、公立校の場合だと1925時間(私立一貫校だと2887.5時間)。まあ、だいたいそれくらいの時間を英語の勉強に割いてるってことになる。

  引用した三木谷社長の計算からすると、"中学、高校、大学の10年間で3500時間" 英語の勉強に費やしてるってことだったんだけど、上の計算からしても、この3500時間っていう数字はそれほど的外れな数字じゃないってことがわかる。つまり、公立校の1925時間と私立一貫校の2887.5時間の間をとって、日本の学生は中学高校の6年間でだいたい2400時間くらい英語の勉強に時間をかけてるとすれば、大学で1000時間、ってむしろちょっと多いくらいなのかもしれないけど(少ない? ってことは、まあないよな)、ともあれ、日本の大学生ってまあ大抵勉強しないっていう通説を採用するとすれば、それでおよそ3500時間くらいってことになるだろう。

  この数字をどう見るかっていうのは見る角度によっていろいろ変わるにしても、まあ率直に言ってやっぱり「こんなに時間かけてるのかよ」って言わざるを得ないっていう点では共通してるんじゃないだろうか。つまり、こんだけ時間かけても、英語を聞けないし、しゃべれない(私見によると実際には、読めてもいないし、書けてもいない)と...... (次回また触れるつもりだけど、英語の習得に要する時間はおよそ1000時間っていうのが、よく英語のハウツー本で目にする時間だ。その内訳は様々なんだけど)。

  僕の経験から言って、こんなに時間をかけてるにもかかわらず、とりわけ「英語をしゃべれない」っていう次元の問題が、いつまでたっても消えないのは相当問題だろうと思うんだよね。なぜかって言うと、これは前回の記事でも触れたけど、英語をしゃべること自体は、やり方さえ間違えなければ、たいして難しくないからだ。っていうよりも、たいして難しくなかったからだ。経験的に言って。

  つまり、まあはっきり言えば、やり方が悪いのだ。

 

  なんか「授業時数」やら「授業時間」やら「授業時間数」やらのことを書いてるうちに、結局前回の記事からあんまり内容が進まなかったかな。まあ、いいか。「高い授業料支払ってでも私立一貫校に」なんて考えてる親御さんが読んでたら、要は時間の問題じゃないんだな、ってことを考えるきっかけになるだろうし。

  というわけで、次回もうちょっとその先のことを書いてみることにして、今回の記事はここまでにしよう。

 

たかが英語!

たかが英語!