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A.Q.R. J-2 『羽撃く』他

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Haruna Watahiki M12「羽撃く」一部

  

  綿引はるな(1980~)千葉県船橋市生まれ。東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業。第92回院展初入選。第14回花鳥画展入選。第63回春の院展初入選。前田青邨記念大賞展入選。安宅賞受賞。第4回万葉日本画大賞展大賞受賞。

 

  以前だいぶ前に観た時、「何かが無い」っていう印象をもって観たんだけど、この「何かが無い」っていう、なんていうか欠落感みたいなものの要因は、この人の絵を描く手法にあるんじゃないだろうか。CG的っていうかなんていうか、手書きの絵であれば通常残るはずの「何か」、それが何なのかはよくわからないんだけどその「何か」が無い、ちょっと拍子抜けするような何も引っかからずにスッと通り過ぎてしまう感じがしてちょっとつまらない、そんな印象だった。

  おそらくそれはこの画家が意図的に、かなり意図的に施した一表現なのかもしれないんだけど、個人的にはなんとなくもったいないというか物足りないっていうか「なんでだろう?」と思ってしまう。日本画っていう括りに染みついているジャンル的な枠を、伝統を踏襲しつつも乗り越えようとした結果って見えなくもないんだけど、でも結果としてその「何か」をなくしてしまった、っていうかそのようにしてその「何か」をあるいは無意識のうちに避けているようにも思える。なんだろうか。まあこれはよくわからない。

  ただこの欠落感っていうかちょっと退屈なまでに感じた印象は、動物のいない植物のみを描いた作品になるとさわやか、っていうか、植物が持つ儚さ、かよわさ、繊細さのようなものが温度となって伝わってくる。この湿度の高いムッとした曇天の梅雨空に、この人の絵は涼しい。ああ、涼しい。こうしてこのまま絵を眺めながら、ビールでもぐびっとあおりたい。いや、でも待てよ。なんだろうこれは。いやちょっと、これはなんだろうか。なんだかちょっと、涼しすぎやしないか?

  以前は「何かが無い」と映ったその印象が、今日は「涼しくすぎる」と感じたこの印象の本質にあるものはなんだろうかと思って、(ほんのちょっとだけ)後ろ髪引かれるようなところのある作品だった。