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マインクラフトで英語!

How do we get to speak English? The simple answer is here.

B.Q.R. J-62 『イングリッシュ・モンスターの最強英語術』

『イングリッシュ・モンスターの最強英語術』菊池健彦 著

 

文法とは初めにマスターすべきものではなく、リーディングやリスニングの経験を重ねる中で、だんだんと慣れて行くべきものだ。 

 

  I agree with you on this point. 先に書いておくと、「文法」はもちろん必要だ。そもそもこの日本語だって「文法」が身についてるからこそ使いこなせるんであって、そういう意味での文法(これなんて言うんだろう? なんか専門用語的なものがありそうだけど、まあいいや)を必要ない、なんていう人はたぶんいないよね。だけど、そういう「文法」を身につける順番というかタイミングというか、あるいはプロセスっていうか、その辺りを間違えると、その言語を使いこなすのに苦労したり、努力が徒労に終わったり、あるいはだいぶ偏った形での習得(例えば「読めるけどしゃべれない」なんていう感じ)になりかねない(まあ個人的には、「読めるけどしゃべれない」ってのは実は「読めてもいない」んだと思うけど)。

  前にも書いたんだけど、文法軽視の流れを批判的に見て、逆に「文法は必要だ」って主張をする人の多くは、僕がみた限りだと大学教授だとか英語教師、通訳者に多い気がする。で、その多くが、最近の(って実はこれもう何十年も前からある話しらしいんだけど)スピーキングだとかリスニングに重点を置いた実用性重視の教育方針を嘆いて、「文法をちゃんとやらなきゃだめだ」「必要なんだ」って言ってる。

  それは(とりわけその職業の内実からしても)もっともな意見だと思う。英文を品詞とその働きによって各要素ごとにSVOCM等の役割を見出して解釈するいわゆる「受験英語」の方法にどっぷりとつかってた経験があるだけに、その方法の要諦はよくわかるし、何をいわんとしてるかも(たぶん大方)理解できる。でもね、それって(大雑把に言っちゃうけど)実は「訳解」なんだよね。「訳解」。「厄介」じゃなくてね。ところが、スピーキングやらリスニングといわず、基本的に第2言語の習得で必要なのって本質的には「訳解」じゃなくて、まあ言ってみれば「運用」なんだよな(ってちょっと大雑把すぎたか)。

  よくこういう語学学習で引き合いに出されるたとえに「自転車」があるけど、結局の所この「自転車」に乗らないとダメなんだよ。ところがこれ、この「訳解」って要するに何やってるかっていうと、この「自転車」をいろいろ観察して、各パーツの役割を把握して、時に分解したり組み立てたりして、それで自転車ってこういうものだって理解したり人に説明したりしてるのに似てる。たまにちょっとまたがって、足をついたままなんとなく動かしてみるけど乗ることはないし乗れない。ヘタすると、それで自転車に乗れてると思い込んじゃう場合すらある(まあ恥ずかしながら、かつて英語講師をしていた僕はそれに近かったかな)。

  まず自転車に乗ってみること(まれに「自転車になんか乗る必要ない。歩け」なんていう、これはこれで興味深い提言をする人もいるんだけど、それはここではちょっと置いておこう)。で、そうやって乗りながら「このブレーキ、これくらい握ればうまく止まれるな」とか、「タイヤの空気があまいと、こんなにペダル重くなるのか」とか、「油をさしたからギアの切り替えがスムーズだな」って感じにその自転車のパーツと使いこなし方を体得していくこと、単に知識としてじゃなくて、それをある意味体の一部のようなものとして身体化していくこと、これが重要なわけなんだけど、とにかくそのためには乗ってみないと分からない。乗って初めてわかるんだよ。ブレーキの利き具合とか、タイヤの空気圧とかペダルの重さとか変速ギアのなめらかな切り替え具合とか。「ああ、こういう感じなのか!」ってね。

   だから、「文法とは初めにマスターすべきものではなく、リーディングやリスニングの経験を重ねる中で、だんだんと慣れて行くべきもの」であるべきなんだよな。

  まあ、個人的には「リーディング」は後回しでいいと思うんだけどさ。まずリスニングとスピーキング。で徐々にリーディングとライティングを加えてだんだんと慣れていく。「訳解」としての"文法"は、大学教授だとか通訳、翻訳者なんかの高度なスキルを必要とする人がもっと後で学べばいい。ちょうど自転車店を開きたいと思ってる人が、整備士や技士の資格を取得するみたいにね。もっとも、自転車に乗れない大学教授って実はいっぱい居るみたいなんだけど、まあ、それはまた次の記事で書こうかな。

 

イングリッシュ・モンスターの最強英語術

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