マインクラフトで英語!

聞いてしゃべれて読めて書ける最もシンプルな方法と本質的な理論がここに

B.Q.R. J-32 『レバレッジ英語勉強法』

たとえば、簡単な言い回しを「知っている」というのと、「実際に話をする際、パッと口をついて出てくる」という状態とは雲泥の差です。(『レバレッジ英語勉強法』本田直之著 ーp.106)

  

  まだ塾の講師をしていた頃、この時期になると大手各予備校のホームページに掲載されていく主要大学の入試問題を次々と解いていき、「講師会」と呼ばれるミーティングでその傾向と対策をレポートするってことをやっていた。

  学生アルバイト講師が中心の塾で、プリント作成を含めた授業準備が講師個人に任せられてたから、とりわけ学生アルバイトの講師にっとってはスケジュールが過密になって、だいぶ中身の薄いレポートに終わるってこともあった。

  それで一応このミーティングは、原則として講師全員が、そのミーティングで扱う入試問題をちゃんと解いてくるってことになってるんだけど、なかでも面白かったのが国公立大の記述問題や和訳問題だった。

  まあ、大抵は各予備校の解答に、ああでもないこうでもないと突っ込みを入れながら、結局のところ「やはり我々の塾のほうが優れているよね」ってことをしたり顔に確認しあうって感じのことをやってたんだけど(実際、例の統廃合に追い込まれた某予備校よりは優れてた)、とりわけこの記述問題や和訳問題ってのは、ちゃんと問題を解いて解答を作成してきた講師と、さぼって解答に突っ込みを入れてるだけの講師とがはっきりと分かっちゃうのだ。なんていうか、両者で突っ込むポイントがズレちゃう。だから、解答作成まで手が回らなかった講師の中には、それを知っててボロを出さないようあまり発言をしなかったり、逆に開き直って横道にそれた小話で爆笑をさそってけむに巻くような講師もいたりしたんだけど、結局「ああ、解いてこなかったんだ」ってことは分かってしまうというなかなか面白い様子が観察できたのだ。

  で、この時よく感じてたのが「知っているのと実際に行うのとは全くの別物」的なことだった。とりわけ自由英作の問題・解答を扱っていた時がそうだった。白状すると(ってここで書いてもしょうがないんだけど)この自由英作に関しては、僕も「解答に突っ込みを入れるだけ」の講師だったんだよね。

  ただ、僕以外の講師にしても、その僕の観察からすると(解答をちゃんと作成したと嘯く講師も含めてほぼ全員)その自由英作に関しては「突っ込み講師」だったように思う。なぜか。それは、英語を実際にしゃべりはじめて分かるんだけど、大手予備校が模範解答としてホームページに掲載していた類の英文を、試験時間内に、辞書なしで実際に作成するのは、英語をかなり流暢にしゃべれるぐらいの運用能力がないとまず無理だからだ。そして、少なくとも僕が知っている限りでは、英語を流暢にしゃべれると思われる講師は、帰国子女だった講師を除けばほとんどいなかったと思う。

  模範解答として示されている英文はいたって平易な英文だ。だから、一見これくらいの英文を作るのは簡単そうに見える。だけど、この一見平易な英文をあの試験時間内に作成するのは、英語を流暢にしゃべることができないmonolingual speakerにとってはほぼ不可能だと今は思う。それは、とりわけああいう自然(なように見える)語彙の選択が、英語をしゃべることができないmonolingual speakerにとっては意外に難しいからだ。

  さて、はたしてかつての僕がこの文章を読んでどう思うだろうか? たぶんこう思うだろう。「いやいや、あれくらいの英文なら作れるよ」。で、今の僕はその僕に対してどう言うだろうか? たぶんこう言うだろう。「じゃあやってみなよ」。

  仮にもしこれが英作文でなくspeakingだったらどうなるか。いや、もっと言おう。もしこれが、試験時間なんてもんじゃない、ほとんど反射的になされるネイティブとの会話だったらどうだろう。これについてもかつての僕だったらおそらくこう言うだろう。「え? あの程度の英語ならたぶんしゃべれるよ」

  ...... いやほんと、やってみればわかる。いろんなことが。

 

レバレッジ英語勉強法 (中経の文庫)

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